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2009年3月 1日 (日)

熊本ゴールデンラークス

名前は似ているけど、タレントの『欽ちゃん』が率いるゴールデンゴールズとは別物の社会人野球チーム。熊本県にあるスーパーマーケット『鮮ど市場』の硬式野球部。

勝利至上主義がはびこるなか、『働かざる者、野球をするべからず』をモットーに掲げながら都市対抗に2年連続出場するなど実績を上げているチームの特集が中日新聞に載っていたので紹介したい。(2/28朝刊)

午前7時、熊本県大津町にあるスーパーマーケット『鮮ど市場』大津店。野手を務める横田孝太郎さんが現れた。市場から届いた青果をチーフからFAXされてくる配置図を目安に同僚とてきぱきと並べ始める。
『配置が毎日変わるので大変。でも3年やってきたから慣れました。』

気付けば、午前10時、開店だ。青果売り場に客があふれた。中腰で重いものを扱う作業が多い。でも一度も座らず売場を歩いて品物を補充する。
正午、同僚に挨拶し店を出る。チームの方針でオフシーズンの練習は午後2時から5時。

パートの女性は、
『彼が抜けるととても困る。でも、野球でも活躍して欲しい。』
店長は、
『試合に気持ちよく送り出したいから特別扱いしない。』
その気持ちにこたえるように横田さんは言う。
『野球部員がスーパーで働いているのではなくスーパーの店員が野球をしている。ほかの人より3時間早く上がらせてもらっているけど、甘えてはいけない。仕事があってこそ野球がある。』

『野球人であるまえに立派な社会人たれ。』
選手寮の食堂。ラークス監督でもある田中敏弘専務の訓示が貼られていた。
『社会で通用しないのは単なる野球バカ。本来の人の営みを忘れている。』
と田中さんは話す。
田中さんは、かつて東京六大学で活躍し、都市対抗野球の雄、日本通運入りを果たした。完全に“仕事は野球”だった。

『自分も、野球以外は時間の無駄と思っていた。』

その後、熊本に帰り父親が経営する『鮮ど市場』へ。人材確保のため野球部を創設した。野球技術よりも社会に通用する人間性を採用条件とした。30人いる選手の2/3は採用前にプレーは見ていない。それでも、強豪ひしめく九州で活動開始1年後に都市対抗出場。しかも2年続けて勝った。勝因は、『仕事を厳しくしたから』
『社会人野球を素直にやった。選手の心は確実に強くなった。仕事を犠牲と考える野球の社会は間違い。変わっていると注目されるけど、何も特別ではない。当たり前のことが、今の世では力を発揮するのかな。』

そんな田中さんに採用されたのが横田さん。高校、大学では一流として扱われ、北海道の企業チームに入った。都市対抗に出る強豪だったが、入った年の12月に廃部。出身地に近い東京支社に異動が決まった。
『野球を続けたい』と相談していた大学時代の監督から引っ越した日の夜電話があった。支社への初出勤を蹴り田中さんに会った。大学の監督の厚意に涙が出た。採用枠はなかったが、涙を見た田中さんが採用を決めた。横田さんは今年、監督指名で主将になった。

ラークスからは昨年、香月良仁投手が千葉ロッテにドラフト入団した。だが、横田さんは、
『熊本に来たころはプロを目指していたが、もう捨てました。』と語る。
『野球で感動を与えるのではなく、同僚やお客さんたちと一緒に感動したい。』
プロ入りに代わって横田さんが抱く目標だ。

これって、つい最近までのラグビー界でも普通に見られていた光景だと思う。トップリーグ創設して、各チーム先を争うようにチーム強化に走ったが、競争についていけなかったチームが脱落…。もう一度原点に戻る必要があるんじゃないかな?
勝利よりも地域との絆を大切にしてラグビーの普及に取り込むことのほうが大事だと思う。

いろいろな問題が噴出したラグビー界。一度足元を見直すいい機会なんじゃないかな?

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